
王様も文豪もみな苦しんだ性病の世界史
ビルギット アダム
草思社 刊
人間の性欲の深さは普遍的だということがわかる 2003-07-03
いつの時代も人間というものは性的に放埓だったんだということがよくわかる話だ。
だとすると昨今の日本の性的な乱れなど心配することもないのか、
などとも思ったりする。それに、「とにかくダメ」という姿勢が
結局は何の解決にもならないということがよくわかる。
こういうことを保守の連中は繰り返していたんだなあということが理解できた。
あとがきで知ったのだが作者は女性だった。
だが、ありがちなヒステリックな話しにはならず、「軍隊には娼婦がつきもの」
ということは価値判断を控えて事実として述べており、客観的な姿勢をとっている。
無論女性をなおざりにする性病対策についてはその不合理を主張しているが、それは当然だ。
同様に古代や中世の人々の放埓さについても20世紀的な価値断で描くわけではなく、
淡々としたものだ。まあ学問的な興味で読むというよりも、雑学的な読み物として
気軽に読む本だろうと思う。
目次
第1章 梅毒にむしばまれたヨーロッパ
(梅毒のきた道性病の温床となった中世ヨーロッパの性風俗 ほか)
第2章 特効薬はないのか!
(はじめはこんな治療法しかなかった性病学の誕生 ほか)
第3章 時代は変わる
(労働者とブルジョアのモラルのちがい大都市の性病汚染 ほか)
第4章 エイズ、現代の梅毒か?
(エイズヒステリー最初の犠牲者たち ほか)